早川町の暮らし

「田舎暮らし」と聞くと静かで時間がゆっくり流れる、そんなイメージがあると思います。

朝には鳥の声で目覚め、夜は虫の鳴き声で眠る。そんな日常生活が確かにあります。しかしそれは、田舎暮らしに慣れ、余裕が出てから感じられるようになるものです。

早川町では過疎化が進み、各集落の人口も多くはありません。村仕事や行事は地区の住民全員でおこないます。草刈りや道の整備、季節ごとのお祭りなどへの参加は、住民としての役務の一つです。水道水も山の沢から引いているところがほとんどなので、水はとてもおいしいのですが、山の奥の水源や貯水槽の手入れも住民自らおこないます。

集落の成り立ちを理解するには時間がかかります。やはり集落の人とのコミュニケーションはとても大切なことです。居住歴にもよりますが、それでもいずれは、集落を維持していくための世話役も担うことになるでしょう。

不便、と言われることには事欠きません。最寄りの総合病院も町外となるため、夜間、子どもが具合を悪くしても小児科で受診する事は難しい。コンビニなんてありません。スーパーマーケットや銀行、駅などが遠く、町内を走る乗合バスも一日4~5本しかないため、生活するのに車は欠かせません。

移住を考えるにあたり、住居と仕事(収入)については、よく取り沙汰される課題です。町営住宅に空きがある場合もありますが、空き家を自分たちの負担で改修して住むことを選択する人もいます。町内には就職先があまりないので、車で30分や1時間の場所まで通勤する例も珍しくありません。

ですが、「不便」を「楽しく」に変えていけることは沢山あります。繁華街など一切ない早川町の夜は、家で過ごすのにもってこいの環境です。その分、家族のコミュニケーションが豊かになる、そんな実感があります。飲食店も少なくコンビニもないので、お母さんの手作りの食事が欠かせません。手作りの食事で一家団欒。これが当たり前の生活になっていきます。

思春期のお子さんも、いくら親と距離を置きたがっても、交通の便が悪いため、子どもだけでの移動手段は選択できません。ほしいものがあれば親と車で買い物に行きます。なので、お小遣いの習慣があまりないようです。町内には高校がないため、高校通学においても、親の送迎が不可欠。移動時間はきっと、親子の大切なコミュニケーションの時間になります。

必要最低限の街灯しかないので夜は暗く、子どもだけで外出することは、まずないでしょう。逆にお出かけの帰りが遅くなったときには、鹿やイノシシといった大型野生動物に出くわすこともあります。夜は家で過ごすことが一番です。

私たちは、人口が増えさえすればいい、そんな単純な考えは持ち合わせていません。

都会の暮らしと比べれば、慣わしなどがあまりに違い、困惑することもあるでしょう。それも「楽しい」に変えていけることがたくさんあります。ですが移住を決めるまでには、多くの時間をたっぷり費やしてほしいところ。移住経験者や、移住者を受け入れてきた集落の人々の話をたっぷり聞いてください。その手伝いは『北っ子応援団』ができると思います。